PARABOOT(パラブーツ)リスレザーのプレメンテナンス方法!!
大事な靴だからこそ長く履く為にはプレメンテしてあげることに尽きます!!
前回購入したパラブーツのアヴィニョンのプレメンテナンスをしましたので記事にしてみました。
↓アヴィニョンの購入記事はコチラ
プレメンテナンスをする必要性
まずプレメンテナンスですが、新しい革靴を履く前にするお手入れの事を意味します。
略してプレメンテやファーストケアなんかとも呼ばれています。
通常、革靴は工場で作られて消費者の手元に届くまでにかなりの時間、倉庫で保管されていますので革がかなり乾燥していると考えられます。
そんな状態の靴を手にした喜びのあまりすぐに履いてしまっては、革靴にもダメージがありますし靴擦れを起こし使用者にも被害が出たりお互いに良くありません。
また、革が乾燥していることにより変な履き皺がついてしまいます。
1回ついてしまった履き皺はなかなか元に戻ることがないのでプレメンテナンスは絶対にして下さい。
プレメンテナンスのメリット
①乾いた革が柔らかくなる
②靴擦れしにくくなる
③ひび割れが劣化を防止し革質が長持ちする
上記3点について説明していきます。
①乾いた革が柔らかくなる
履き始めの革靴は、倉庫に長い間保管されており革が乾燥していて硬い状態です。
新品の革靴にプレメンテしてあげることで革を柔らかくし履き始めの足への馴染みを良くしてあげることができます。
②靴擦れしにくくなる
乾燥した硬い革の状態で靴を長時間履いていると靴の中で足が擦れてしまい靴擦れをおこしてしまします。プレメンテでは、革靴の内側にも(特に親指の付け根と小指付近を中心)デリケートクリームを塗り込んであげると革が伸びやすくなり履き心地が向上します。
③ひび割れが劣化を防止し革質が長持ちする
靴で一番負荷がかかる場所は、アッパーレザーの甲の部分になります。
乾燥した硬い革の状態で、履いてしまうと甲にかかる負担が増え早く劣化してしまいます。劣化が原因でひび割れなんてことにもつながってしまいます…。
そうならないためにも、甲にデリケートクリームを塗って革を柔らかくして劣化を防ぐことは重要です。
また、甲の革を柔らかくすることで深い皺が入るのを防ぎ上品な自然な皺が入りやすくなります。
実際のプレメンテ(パラブーツ)
馬毛ブラシのブラッシング
本来馬毛ブラシのブラッシングは、ホコリ落としがメインになります。
しかし、パラブーツの場合アッパーのレザーがリスレザーですので新品時には、
革内部の蝋が革表面に出て白い粉が噴いている状態になっています。
よくブルームが出ていると言われています。
この処理はブライドルレザーの時も同様です。
馬毛ブラシを使いしっかりと蝋を革内部に戻すのと表面の小さなホコリを除去していきます。
使用している馬毛ブラシは、
コロニル製の馬毛ブラシを使用しています。
安価なうえに信頼性も高いのでオススメです。
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↑正面から
左がブラッシング後、右がブラッシング前
ブラッシング後の方がリスレザー独特の光沢が出ておりツヤツヤになります。
↑サイド(内側)から
左がブラッシング後、右がブラッシング前
↑サイド(外側)から
左がブラッシング後、右がブラッシング前
緑タグのマスキング
代表的なパラブーツ製品には、緑のタグが付いています。
この緑のタグを養生せずにリムーバーを使ったり靴クリームを使ってしまうとタグの色が抜けたり靴クリームの色が移ったりするので保護してあげる必要があります。
↑アヴィニョンの緑タグ
↑シャンボードの緑タグ
使用するマスキングテープはホームセンターで100円程で売っている安いもので構いません。マスキングテープは普通のセロハンテープよりも粘着力が弱く、良くカラースプレーする際の養生に使われます。
粘着力の弱いマスキングテープでもまだ粘着力が強いので何回か机に貼って粘着力を弱くして使用することをおすすめします。
↑色は好みで何色でも大丈夫です。
↑実際に緑タグをマスキングした状態
しっかりと他の液剤が付かないようマスキングしていきます。
リムーバーで汚れの除去
工場で作られたばかりの靴は長い間倉庫で保管することが想定されるため、完成した後に靴クリームが塗られています。
この靴クリームをしっかり取らないと次のデリケートクリームの恩恵を最大に受けることができません。
女性で言うところの化粧落としの役割です。
使用するリムーバーはコロンブスブートブラックのツーフェイスローションです。
このリムーバーは他のリムーバーと違って水性のクリームも油性のクリームも落とすことができるのが最大の特徴です。油性クリームが落ちる洗浄力の強いクリームもありますが洗浄力が強いと革にダメージがかかるのでオススメしません。
その点、このツーフェイスローションは革に優しく油性クリームも落とせるためおすすめです。
↓商品リンク
少し振ると・・・
↑振ると2層の薬剤が混ざり透明な液体が白く濁ります。
↑箱から空けてすぐの状態ですが、少しクリームがついている状態でした。
デリケートクリームの塗布
冒頭で書いた通り、倉庫で長い間保管されていた靴は、表面が乾燥し硬い革の状態です。そのまま履いてしまっては、革にも良くないですし靴擦れの原因になるのでデリケートクリームを塗布して潤いを与え革を柔らかくします。プレメンテの一番大事な工程でもあります。
写真は撮り忘れてしまいましたが、靴の内側にも塗ることが大事です。
革靴の内側が革になっているものは、同じく乾燥していることが考えられますので、デリケートクリームを塗って柔らかくしていきましょう。
特に履き口や親指、小指あたりは入念に塗り込んでおきましょう。
一番当たるところになるので靴擦れの予防にも繋がります。
使用するデリケートクリームはサフィールのスペシャルナッパです。
デリケートクリームとしては、かなり高額の部類になりますがホホバオイルが配合されておりとても革にいいです。
普段は、Mモウブレイのデリケートクリームか、コロニルのシュプリームクリームデラクスを使用していますがどれでも構いません。
↓Mモウブレイ デリケートクリーム
↓コロニル シュプリームクリームデラックス
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↑パッケージ裏面
↑中身の状態
とてもぷるぷるしており革表面がもちもちになりそうです。
保革クリームの塗布
保革クリームはデリケートクリームを塗った後に行う工程です。
潤った革を閉じ込めるために保革クリームを塗り補色をしていきます。
画像がなくてすみません…
本来は靴クリームを塗って保革する必要がありますが、最初だからこそ革本来の表情を楽しみたいと思ったので敢えてデリケートクリームのみの使用にしてみました。
普段使用している保革クリームは、サフィールのクレム1925です。
言わずと知れた代表的な靴クリームで、油性クリームになります。
ギラっとした深い発色でいい艶が長く続くクリームです。
最大の特徴としては、油性クリームなので雨に濡れてもクリームが溶けないのでどんな天気でも気兼ねなく履くことができるのが強みです。
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豚毛ブラシでブラッシング
豚毛ブラシは、馬毛に比べて毛が硬いのが特徴でクリームの仕上げ用のブラシになります。塗り込んだデリケートクリームや保革クリームを革の内部に浸透させるために豚毛ブラシでブラッシングしていきます。ブラッシングしてあげることで余分についたクリームが取れて革表面に艶が出ます。
使用する豚毛ブラシは、コロンブスの豚毛ブラシを使用しています。
持ち手がくぼんでいるので、力強く持っても滑りにくいのがいいです。
↓商品リンク
↑1年ほどの使用で靴クリームの色が毛先に移っています。
使うクリームの種類に合わせてブラシを変えましょう。
完成
以上の工程でプレメンテの完了です。
デリケートクリームで革表面がしっとりしていて触っていてとても心地いい状態になりました。また、革に艶が出て高級感が出ているように感じます。
これで晴れて履きおろしできます!!
おわりに
今回、プレメンテナンスについての記事でしたがいかがだったでしょうか。
プレメンテはめんどくさいと思われる方もいるでしょうが、せっかく買った靴だからこそ大切に長く履いてやるにはとても大切な作業になります。
また、手間暇かけてメンテナンスしてあげることで革靴に愛着が湧いてきます!!
少しでもみなさんの参考になればと思います。
パラブーツのシャンボードとアヴィニョンの違いについても記事に出来たらと思っています。
ではでは・・・
⇩パラブーツBEE WAXの記事
⇩パラブーツシャンボードの記事
⇩パラブーツランスの記事